絵付けテクニック

動画を参考に【紫陽花の描き方】ポーセリンペインティング上絵付け手順

更新日:

あじさいの鮮やかな水色に惹かれて描きたくなった、お皿に描く上絵付け手順の紹介です。

紫陽花の4枚からなる花弁。花びらだと思っていた4枚一組のものは、実は花びらではなく「がく」なんですよね。4枚のがくの中央に丸いポチっとした丸い花芯の部分が本当の「花」の部分で、その丸い花芯がはじけると、「花びら、めしべ、おしべ」がちゃんとあるのが紫陽花の本当の「花」と言われる部分だそうです。

生物学的なことは、置いておいて・・「紫陽花」の描き方を紹介をする便宜上、4枚の「がく」は「花びら」と称して説明していきますね。

紫陽花の描き方手順

絵の具の用意

  • 濃いブルー・・・キングブルー、濃紺、マリンブルーなど
  • 水色・・・ライトブルー、トルコブルー、スカイブルーなど
  • グリーン・・・オリーブグリーン、クロムグリーンなど
  • 濃いグリーン・・・ブルーグリーン、ブラックグリーンなど

1回目の絵付けに使う4色です。色の名前はお使いのメーカーで様々だと思いますので、お手持ちの似た色をお使いください。

紫系やピンク系などの紫陽花を描く場合でも、同色系の色を淡い目濃い目の2色を用意してください。(紫系→ライラック色とパープル色など ピンク系→ピンク色とマロン色など)

 

ポーセリンペインティング上絵付けに必要な【基本のツール】 道具材料たち

上絵付けに必要な道具たち ポーセリンペインティング、チャイナペインティングなどと呼ばれるいわゆる【絵付け】と言います。白磁に描く【上絵付け】に必要な必須道具たちの紹介です。 上絵の具 筆 パレット・パ ...

続きを見る

動画を参考に描き方

下絵は描かずに、お皿の上に絵筆で直接描いていきます。紫陽花のように花びらがたくさんついているものは、下描きの線画があると、その通りに描いていくのは結構たいへんです。絵の具をのせると下絵もほとんど消えていくので、最初から下描きなしのほうが自由に花びらを付けられるので、私の場合は、この描き方の方が描きやすいです。

では、私のYou Tubeチャンネルより。このアジサイを描いたときの動画をご参照ください。

 

step
1
紫陽花のアウトラインをとる

水色でざっくり紫陽花の花びらの形を意識しながらアウトラインを先につくります。

step
2
中に濃い色を置いていく

中に濃いブルーと水色を適度な量でのせていきます。この時、平筆で絵の具をのせていきますが、平筆の形状を利用して、花びらの形を少し意識しながら絵の具をのせていきます。

step
3
筆でぬく

花びらの大きさに合う筆に持ち替え、4枚一組の花びらの形になるように、平筆の形を利用しながら、色を筆さきで拭い去るような要領で花びらを作っていく。

ポイント

より光があたって明るい部分は白磁の白が見えるくらい、絵の具をとっておいても良い。

step
4
花芯を抜く

4枚一組の花びらができたら中央をワイプアウトツールの先で丸い穴をつけておきます。

step
5
葉を描く

まず、1本太めの茎をグリーンで描く。茎からでる軸を4カ所描き、その軸の先に紫陽花の大きな葉を描く。紫陽花の葉は輪郭を筆先を使ってギザギザさせておく。絵の具は、2色のグリーンを適度に筆で混色させながら使います。

ポイント

2色使いが難しい場合は、1回目の絵付けではグリーンのみで描き、2回目の絵付け時に濃いグリーンを入れられたら良いです。

step
6
蝶を描く

余白があったので花と同じ色でらくがきのように蝶を描き加えました。

step
7
縁に色

お皿の縁のエンボスに沿って、水色を筆でさっと色付けしておきます。

step
8
一回目の焼成

800℃で一回目の焼成をする。

2回目の絵付け

step
1
花びらの周りを濃く

1回目に作った花びらの周りを濃く、手前に花びらがある場合は、その下になる花びらに影をつくる。というような要領で、濃い部分をより濃くして影をいれていきます。

step
2
花芯に色をいれる

紫陽花の種類によって、花芯の色は様々ですが、この時に参考にしていた紫陽花の花芯はイエローグリーンな色をしていたので、そのような色を付けました。だいたいは、花びらと同じ系統の濃い色が多いと思います。

花芯に色を入れたら、その花芯の周りにも花びらと同じブルー系で花芯の周りに影をたすように色をつけます。

step
3
葉を描く

花頭のすぐ下の茎に影がさすように、濃いグリーンを差し入れたり、葉も葉脈や陰影を強めながら2回目の絵付けをする。

step
4
金彩して焼成

エンボスに色を入れたところや縁周りに金彩をほどこし、二回目の焼成780℃

 

動画を参考に紫陽花を描く手順のまとめ

紫陽花を描くときは、全体に丸い形状の中にも花びらの向きを大事にしなければいけないので、できれば本物の生花を参考にいろんな角度から花びらをみながら、描いたら良いと思います。が、参考程度にしないと、そのまま生花の本物を見たまま描くようなボタニカルアートのような緻密さはなくて良く、あるていどデフォルメしながら花びらを作っていけたらいいですよね。

余談ですが、ビデオを撮りながら描くのは一発勝負なので、一人で撮影しながら描いていますが、とても緊張しながら描いています;Instagramは動画1分以内なので、動画を1分以内に縮めるのも、実際早く描かないと、早送り編集するのに手間なので、結構なスピードで描くようつとめています。

今回のYou Tubeでは、過去Instagram用に撮影したものを編集して作りました。なので、横長ではなく正方形の動画となっております。

花びらを抜いて描く際も、本物の紫陽花をじっくり観察しながらすれば本当は良いのですが、早く描き切らなければいけないので、目の前に生花はあるのだけれど、ほぼ見ずに描いています;;

花部分を描き切ったあと、いったん撮影を止めて、休憩してから続きの葉を描くところを撮影して編集でつなげています。

絵付けをされている方は分かると思うのですが、絵付けをする際は、筆運びしやすい方向から描けるようにお皿をくるくる回しながら普通描くものですが、撮影をしているので、それをあとから早送りにした際、お皿の向きが変わると見づらいので、お皿は固定してずっと一方向からのみ描くようつとめています。これが結構描きづらくて正直難しかったりします;

Instagramに動画投稿をはじめたきっかけは、フォロワーの外国人の方から私が描いているところの動画を見たいというリクエストをいただいたのがきっかけでした。それまで静止画の写真を撮るのみだったのですが、この声がかからなければ、私ひとりでは思い付かなかった発想でした。動画ってなんだか気恥ずかしいですしね;見てくださった方の感想も気になりますしね;そしていつも試行錯誤して撮っています。

そして2020年4月よりスタートしてみたYou Tubeチャンネルでは、出し惜しみなくポーセリンペインティングの私の技術をアップしていく予定なので、ぜひお見逃しのないようチャンネル登録をお願いいたします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

【2017年6月制作作品】

参考
上絵付け三段重と雅皿に描く IPAT掲載マガジンより紫陽花の描き方

絵付けをしていて、季節になると描きたくなるお花のひとつに紫陽花があります。写真は我が家の庭で咲いたガクアジサイ。鮮やかなブルーの色彩も描きたくなる要素のひとつです。 以前、ポーセリンペインティングのマ ...

続きを見る

 

-絵付けテクニック

Copyright© Porcelain Painting Salon O-dish , 2024 All Rights Reserved.