絵付け基本

ポーセリンペインティング 【上絵の具】の失敗と対処法について

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もも
やっと出来上がった作品!なのに色が剥がれてる!?どうして?

さくら
適切な色の付け方、焼成温度や回数で仕上がりは変わってくるから気を付けたいね

焼成後 色の失敗と対処法

時には、絵付けをしていて失敗することもあります。私が過去に色で失敗した例でご紹介。

分厚く色を塗り過ぎた時

絵の具は分厚く扱うと焼成後に下の釉薬ごと剥がれる場合があります。

特に私がが剥がれやすいと思う色は、

  • マロン
  • レッド
  • ブラック
  • グリーン

マロン系の色は、バラの中央など濃く色を乗せることが多々あります。そして度が過ぎるほど色を乗せると、焼成後にふとした瞬間に色が釉薬ごと剥がれてしまう時があります。

レッド系の色もしかり。赤色のチューリップはソーサーに描いたもので、普段使いの食器として使い、洗ったときに剥がれてしまいました。

焼成後すぐに剥がれるのではなく、使っているうちに剥離する場合もあります。剥がれてしまったものは元に戻りません。上から色を足したところで、修正も無理です。失敗です。残念無念。そんなことにならないよう、焼成前の絵付け段階で気をつけたいことについて書きます。

マロン・レッドの対処法

さくら
焼成後の失敗は元には戻らないので、焼成前に対処しよう!
  • 色が厚くのり過ぎたときは掃いて外へ逃がす
  • 焼成回数が多くなりすぎないように注意

マロンもレッドも結構、色がのりやすいので濃くしてしまいがちですが(絵により濃くしなければならないときもある)厚めに色がのったかなと思ったときは、筆先で色を軽く掃くように、一点濃い部分を周りに色を逃がすように、広げるようにしてみてください。(絵の具の厚みを薄くする感じ)

厚く色がのった場合でも、1~2回の焼成くらいでは剥がれにくいです。私の経験上、3回以上の焼成をすると厚塗りは剥がれやすくなります。ですので、濃くしたい部分は焼成回数を考慮しながら、徐々に濃くしていくようにしてみてください。

 

ブラックの対処法

ブラックという色は特に目立つ色なので失敗すると、とんでもなく汚くなります。焼成後にポロポロとあちこち剥がれてくる感じ。

もも
黒色が次から次へとポロポロ落ちてしまうのはなぜ?
さくら
適切なブラックの塗り方を紹介するよ!

ブラックも厚塗り、焼成回数が多くなるほど剥離しやすい色という性質があります。しかし、真っ黒に塗りたいわけです。ブラックの薄塗りなんて綺麗ではないですよね。そんな時の対処法。

  • ブラックは最後の方の工程で一度で塗りきるようにする
  • ブラックに青や紫の絵の具を足して塗る

背景をブラックに塗りたい場合は、最後の方の工程で出来れば一度で塗りきることをおすすめします。焼成後に金彩を施して、温度を下げて再度焼成をかけるくらいなら剥離の心配は薄れます。

また、ブラックという色だけ練って塗るのではなく、ブルー系やパープル系の絵の具を(私の感覚ですが)4:1くらいで混ぜて塗ると、ブラック一色で塗った場合より、剥離の心配がなくなります。

ポイント

他の色を混ぜたところで、黒は青にも紫にも近づきません。黒が勝ちますので、気にせず混色して使おう!

グリーンの対処法

グリーンという色も厚塗りした場合、ふつふつと気泡のような焼き飛んだあとが付いてしまうときがあります。

すかしてみないと見えない、よく見ると分かる、という程度のものなので、写真もボケてしまいゾウリムシのようですが、葉っぱを描いたものです。そして原因としては色をのせ過ぎたことによるもの。

釉薬ごと、ごっそり剥離したわけではないので、この場合はごまかし程度の修正が可能です。

  • 上から濃いグリーンをつける

ふつふつとした気泡のようなものを、ブラックグリーンなど、前段階よりも濃い目の色をつけて隠すというごまかし修正は可能です。金彩する場合も、できれば焼成回数をあまり増やしたくないので、金彩をする時もラストの絵付けと同じ段階で施し最後の焼成で終わらすことが望ましいです。

 

まとめ

私もこれまで何度も失敗してきています(汗)その都度、学びになり勉強になります。新しい絵の具や特殊溶剤を使ったりするときは、事前に実験してから使うことが多いです。

さて今回は恥をしのんで、色で失敗した写真をUPして私なりの対処法をお伝えしてきました。参考になれば幸いです。

ポイント

  • 色の厚塗りに気を付ける
  • 焼成回数が多くなり色が剥がれる危険もある(白磁にもよります、陶板が一番強靭)
  • 適正温度を守る(焼成回数が多い場合は焼成毎に徐々に下げる)
  • レッドを濃くしたい時は、焼成回数の最終回で濃くする

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